霊名イザヤ

 

愛川晶

 

 名からしてマニアックです。思い切りキリスト教です。一般の方でイザヤを知っている方はどれくらいおられるのでしょうかw

 

 

 

ただし、これは旧約正典のイザヤ書ではありません。中世の異端カタリ派が愛読した「イザヤの昇天」の文書が金庫から出てきます。そこから謎めいたミステリが展開していきます。「イザヤにとってマナセを殺すことは絶対に宿命だ」の意味は。一般的な日本人が持っているような文書ではありませんし、カタリ派なんて知らないクリスチャンもいるのではないでしょうか。

 

 

 

読む前にカタリ派の勉強をしておいたほうがいいかも。カタリ派はグノーシスの影響がある一派で、キリスト教を名乗りながらもいわゆる輪廻転生を信じていました。しかし、間違った教理も問題なのですが、そこには正統派内の腐敗や権力闘争も背景にあって歴史的評価は難しい。そしてこの時代の異端殲滅の激しさと言ったらちょっとついていけない・・・

 

 

 

感想を書くと、キリスト教背景の薄い日本で、著者はよくこれだけのことを調べたものだと感心します。ただ、どれくらい読者のニーズがあったかどうかまでは微妙。ちょっとぞっとするようなテイストが好きな人にはいいかもしれません。