ダイヤモンドヘッドの虹

 

 夏樹静子作 

 

著者の名前を聞くと、薬師丸ひろ子主演の映画「Wの悲劇」を思い出してしまうわたしは角川映画世代w 僕の中では森村誠一とともに70年代を代表する作家です。山村美紗とともに女流ミステリ作家の草分け的存在ですね。もちろん、今でも現役の方ですが。

 

 さて、題名からもわかる通り、舞台はハワイです。ときはバブル時代。日本の企業がハワイの土地を買い占め始めます。なんと信仰のよりどころである現地のキリスト教会までも買い占めようとする暴挙に出始めます。当然、地元の信徒たちは猛反発。反対運動が巻き起こります。いや、実際に当時これに類することはあったようなんです。

 

 そんな中、誰もいない教会堂で日本人業者が殺されているのが発見されるのです。土地売買に絡むもめごとに巻き込まれたのは間違いないのですが、犯人は一体誰なのか。

 

 クリスチャンとしては色々なことを考えてしまいます。教会堂までもビジネスの対象にしてしまうエコノミックアニマルと揶揄された日本人。信仰音痴もここまで極まれりと言ったところでしょうか。また教会はこういう厳しい現実に生かされているのだとの再認識。そのバブルもはじけた今、あの狂乱は何だったのかと思ったり。

 

 もちろん、ミステリですから、社会的問題もはらみながらも、トリックあり、謎解きありで進んでいきます。いや、元々ハワイには同志社の系列の牧師による日系人伝道の歴史もあるのですが。高知城を模したマキキ聖城教会は有名ですよね。実はそこから日本に派遣された日系人女性宣教師の手によってひとつの教団さえ生まれていますよね。