聖女の島

 

 皆川博子作 

 

一度でいいから行ってみたいところがあります。長崎にある軍艦島。廃墟マニアには有名な島ですよね。最盛期には多くの人口を抱えていたのに、建物だけを残して人口ゼロになってしまった無人島です。好奇心がうずきます。

 

 

 

ミステリ作家の創作意欲を書きたてるようで、内田康夫「棄霊島」、恩田陸「puzzle」赤川次郎「三毛猫ホームズの無人島」などの舞台になっています。さて、本書「聖女の島」は軍艦島を舞台にしたミステリの先駆かもしれません。本作ではここにカトリックの更生施設があるという設定。ちょっと無理があると言ってはいけませんw

 

 

 

この施設に修道女が赴任してくるところから事件が始まります。更生を受ける少女たちの不審な死。強烈なのは28人しかいないはずの少女がなぜか31人いるというミステリアスな展開。数が合わないではありませんか。まるで萩尾望都の有名なマンガみたいな。

 

 

 

幻想ミステリなのでロジカルなストーリー展開を期待してはいけないと思います。その分、雰囲気がいいですね。80年代の作品なのですが、傑作の誉が高いので、最近講談社ノベルスから復刻版まで出ましたね。

 

 

 

著者はミッションスクールの東京女子大学で学んでいます。なるほど、ここでキリスト教に触れているわけですね。著者は80歳を過ぎておられると思いますが、今でも現役。最新作の「開かせていただき光栄です」は未読なのですが、こちらもキリスト教が絡んでいるみたいです。