7月16日 マルコ14:1~11

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二つの選択

 

過越の祭りの二日前て、十字架の週の火曜日に、このナルドの香油と、イスカリオテのユダの裏切るという2つの出来事が起こりました。 香油を頭に注がれるというのは、お客さんを「もてなす」という、ユダヤ地方の文化的なことだそうです。 それは時に化粧品であり、薬品であり、葬儀ようの香料、また、王や祭司の就任式、そして 神への特別な供え物にも注がれました。また、この香油は繁栄を意味し、それは客へのねぎらいや栄誉を表すものでもあったと言われます。 ただ、このナルドの香油は特別なもので(少しかび臭い香りが死の旅路に向かう人のたむけに使用された)、それはヒマラヤ山脈で栽培され、インドから イスラエルへと、わざわざ輸入されたものであったものでした。 それは300デナリ以上で売れたと弟子たちは告げています。この1デナリは 1 日の労働賃金でありますから、300日分の給料として、日本円で300万円もする香油ということになります。彼女はそれだけの 香油のツボを割って、その全てをイエスの頭から注いだというのです。 この女性はどの様にして、このナルドの香油を手にしたのでしょうか?300万という と現代では車一台は新車で買えるくらいの価格です。 他の人々は、こんなもったいないことをするなとか、この香油を売って貧乏人に施せとか言 います。 しかし、この女性はイエスの為に、何のちゅうちょもせず、ツボを割ってイエスの頭にこの 香油を注いだのです。 彼女はその時、自分の持つできる限りの事をイエス様に対し行ったのです。もう一人の登場人物、イスカリオテのユダは元々、イエス様からの信頼も暑く、弟子たちからも尊敬された人物であり、ユダは財 布を預かる会計係をしていたと言われます。(会計係は信用できる人に普通任せますね)その様なユダが、他の福音書では30枚の銀貨、それは30シェケルでイエスを「売り渡した」と告げられています。その値段は日本円で約30万円で売り渡したということになります。 イエス様を中心とし、約二、三年苦楽を共にした弟子の中でも特に信頼されていたイスカリオテのユダですが、なぜこの時、イエス様を裏切ろうと思ったのでしょうか。それは、ユダの中に「サタンが入った」事が原因でイエスを裏切ったともいわれています。 一つ言えるのはユダはこの世の価値観を求めた故に、サタンの支配下に陥ったという事でありましょう。 このユダの故にイエス様はゲッセマネの園で捕まえられ、十字架へと引き渡される事となります。彼だけではなく、他の12弟子も裏切り、全ての人がこの時にイエスを裏切ったのであります。しかし、神はこの様な罪人さえも見捨てることなく憐れんでくださいました。 そう、イエス・キリストはその十字架の死後、三日後に復活されたのです。 今日のテキストは、この2人がクローズアップされており、それは、コロサイ3:2が告げている様に、香油を注いだ女性は、上のものを求めたのであり、ユダの方は地上のものに心を惹かれサタンの支配下に陥り、滅びの道を歩む事となったのであります。私たちはナルドの香油を惜しげも無くイエスに注いだこの女性の様に、自分ができる精一杯の信仰をイエス・キリストに対して捧げる者でありましょう!