1月14日 創世記13:1〜11

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二つの選択

 

アブラムは、エジプトからシナイ半島、そしてネゲブへと移動してきました。アブラムは⽺飼いであり、⼩さく農業をしていても、⾦や銀を稼いで⼤⾦持ちになる事は実質的に考えにくいものです。アブラムはサライの事件により、エジプトの王パロから多くの財産を持って、ベテルとアイの間、最初に主が語り、始めて祭壇を築いたマムレの樫の⽊の所まで、移動してきたのであります。彼はその祭壇の所で、もう⼀度祈り、信仰の再出発をしたのでありましょう。しかし、その時アブラムとロトには、多くの家畜と財産を所有するものとなっていて、⼀緒に住めなかったといいます。もちろん、彼らは家畜を飼っているので、⼗分な餌や⽔場が無かったのでありましょう。アブラムとロトの雇い⼈の牧者らは、その増えた富のゆえに、争う事となったのです。アブラムとロトの家族は⻑い旅路の中、共に苦楽を乗り越えてきた強い絆でむずばれた親類であり、この様に別れるのはアブラムにとって、とても残念だった出来事でありましょう。その時、アブラムはロトに主権を渡し、⾃分はへり下ったのであります。ロトが選ぶ場所がどこであっても、神は必ず良いモノを⾃分たちに与えられるといった信仰者の姿であります。

その時の選択により、⼈⽣が左右される重要な時でありますが、⾃分の利⼰⼼は⼀切出さず、甥のロトに⼀番よいものを与えたのであります。そうして、ロトは当時エデンの園の様に潤っていたソドムとゴモラ地域、死海の南、そして東側を選ぶ選択をしたのでありました。ソドムとゴモラはよこしまで、罪びとの地で、その後に滅ぼされる事となります。しかし、アブラムが住む事になるカナンは、何も問題がなかったというわけではありません。

そこには、カナン⼈とペリジ⼈といった⼈々が、既に住んでいたのです。こうして⼆⼈が選んだ⼟地は、双⽅とも問題ありの地域で、双⽅ともに暗雲⽴ち込める信仰の再出発だったという事であります。しかし、主はアブラムに対して「永遠にあなたとあなたの⼦孫に与えよう」といった祝福の⾔葉が語られ、アブラムはマムレの樫の⽊で⽣活する事を決め天幕を張り、新たに祭壇を築き、約束の地で新たな信仰の歩みを始めたのであります。

 

ポイント1 「ロトの選択」 

また、創世記12章でアブラムの状況を⾒ると、確かに祝福によってアブラムを富ませたのは主でありました。しかし、エジプトでの出来事の末に、アブラムとロトに多くの富が増し加えられた事によりって、アブラムとロトの間には⼤きな問題が発⽣した事も確かです。

私たちの現実的な財産を、どう理解するのか?と聖書は私たち信仰者に問いかけているのであります。ロトは素晴らしく⾒える、ソドムへと移動しました。しかし、その地は罪に穢れており、最終的に滅びに向かっています。⾒える、聖書では⾃分のために富を求める者を、愚か者と呼ばれます。私たちは、主の栄光を求め⽣きましょう。

 

ポイント2 「アブラムの選択」

 

アブラムは、その時に元々告げられていた「シュケムのモレの樫の⽊」の所に戻ります。それは信仰の再出発であります。信仰に⽣きる者は、利⼰的に⽣きるのではなく、⼈を思いやり、愛に⽣き、平和を求める者であります。そして信仰者は、⾒えるものではなく、⾒えない主に全ての希望をおき、神に御国を求め⽣きるのであります。